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設計結果

次に,実際に設計を行なった結果を示します.設計対象は図2のような骨組み構造物を考え,矢印のような力に対して,最上段の4点(丸で囲んだ4 点)のx,y,z方向の振動を抑制するような設計を考えます.また,このとき構造物の総重量は一定であるとし,部材の太さには下限値が存在するものとしています.

このような条件で設計を行なった結果が,図3のようになります.これを見ると,構造物は接地面で固定されているものとしているので,その固定面と力を加えた点の間にある柱が太くなっていることが分かります.また,加えた力に対して平行な $ y$方向の梁も太くなっていることが分かります.それ以外の部材は,加えられた力に対して,振動を抑制する効果があまり無いため,ほとんどが下限値になっています.

\includegraphics[scale = 0.4]{gairan1.eps}

図2.設計条件

\includegraphics[scale = 0.5]{optimal.eps}

図3.設計結果

このときの周波数応答がどうなっているかを図4に示します. 青の破線が設計前の周波数応答を,赤の実線が設計後の周波数応答を示していま す.このときの周波数応答の最大値($ H_\infty$ノルム)は,1.97から0.20と改善 されています.

また,このときの時間応答,つまり,力が加えられたとき,振動を抑えたい点で は実際にはどのような振動をしているかを時間的に示したものが図5 になります.図4と同様,青の破線が設計前,赤の実線が設計後のも のを示しています.これを見ると,振動特性が大きく改善されていることが分か ると思います.

\includegraphics[width = 60mm ,height = 50mm]{fre1.eps}

図4.周波数応答

\includegraphics[width = 60mm ,height = 50mm]{impulse.eps}

図5.時間応答



Miyahito Hase 平成15年8月4日